裁判の経緯
Embed from Getty Imagesシモン選手は 2016 年から 3 年契約 (2019 年 5 月に終了) でブラジルリーグに所属しているクルゼイロというチームと契約をしました。
しかしながら、シモン選手はシーズン途中に、子供がイタリアの地で生まれてほしいという願いから 2018 年にクラブを去りたいと伝えていました。
結果、シモン選手はクラブを離れますが、2018/19 シーズンに向けた活動分の賃金が支払われていなかったのです。
これにより、シモン選手とクルゼイロの両者は争いへと発展していきます。
FIVB の判断
FIVB (国際バレーボール連盟) はクルゼイロに対するシモン選手の訴訟にて、シモン選手に有利な判決を下しました。
シモン選手はクルゼイロにプレイヤーに対しての契約違反に対し 160 万ブラジルレアル (*約 4100 万円) の補償を要求しました。
一方、クルゼイロはイタリアのクラブに移籍したことに対するペナルティとしてシモン選手とクラブに 10 万ユーロ (*2 約 1400 万円) の支払いを要求しましたが拒否されました。
この判断を受け、クルゼイロは最後の手段として、CAS (スポーツ仲裁裁判所) に上告しました。
* 1 ブラジルレアル=約 25.5 円として
*2 1 ユーロ=約 142 円として
CAS の判断
FIVB の決断から 2 年後、ついに決着の時が訪れました。
CAS はクルゼイロの訴えを棄却し、シモン選手は勝訴したのです。
決断する上で CAS は、シモン選手がクルゼイロとの契約を終了したいということに関して常に強調していたことを確認しました。
これらを総合的に判断した結果、CAS はクルゼイロとの契約を早期に撤回する権利を完全に認め、活動していた際の残りの給料と訴訟費用についてシモン選手に支払うようクルゼイロに命じました。
これにより 5 年近くにわたる法廷闘争に幕がおろされました。
シモン選手のあれこれ
Embed from Getty Images【略歴】
2012~2014前半 イタリアリーグのボレーピアチェンツァ (2018年に破綻) で活動
2014後半~2016前半 韓国リーグで活動
2016後半~2018前半 ブラジルリーグのクルゼイロで活動
2018後半~2022前半 イタリアリーグのルーベで活動 21/22リーグではMVPを受賞した
2022後半~ ピアチェンツァで活動中