【バレーボール】ストレッチの重要性について

ケガ・ストレッチ

皆さんは試合前や試合後、または日常においてストレッチを行っているでしょうか。

ストレッチをしないとケガや疲労の原因となることは、なんとなく分かっているのではないでしょうか。

今回は、ストレッチの重要性と実際にどのように行えばいいのかを解説していきます。

ストレッチの種類

スタティック(静的)ストレッチ

反動や弾みをつけずに筋肉をゆっくりと伸ばし、伸展した状態を維持するストレッチです。

主に、寝る前や運動後のクールダウンで行うストレッチです。

ダイナミック(動的)ストレッチ

実際のスポーツあるいは運動を模した動作を取り入れながら体を動かすことで、大きな可動範囲で関節を動かすストレッチです。

スポーツを行う前のウォーミングアップに適しているストレッチです。

屈伸や脇腹を伸ばすラジオ体操は動的ストレッチに分類されます。

スタティック (静的) ストレッチが与える影響

リラックス効果

スタティックストレッチを行うと副交感神経活動が活発になることで、リラックスしやすくなります。

そのため、寝る前にスタティックストレッチを行うと、入眠しやすくなります。

寝つきが良くない人は、寝る30分くらい前にスタティックストレッチを行いましょう!

疲労の回復

スタティックストレッチは筋肉の疲労回復が認められています

そのため、運動後に行うことで次の日のパフォーマンスに影響を及ぼさなくなります。

また、運動後でなくても寝る前にスタティックストレッチを行うことでその日の勉強・仕事等の疲れを改善することが出来るでしょう。

パフォーマンスの変化

柔軟性

スタティックストレッチは柔軟性を向上させます

しかしながら、ストレッチを終了した5週間後には増加した柔軟性はストレッチ前に戻ってしまうことが明らかとなっているため、継続してストレッチを行うことが重要となります。

ジャンプ力

スタティックストレッチではジャンプ高が有意に低下するという報告が多いです。また、ストレッチ時間との関係で見た際、90秒以上スタティックストレッチを行うと有意にジャンプ高が低下するとされています。

ただし、これは競技前に行った即時的なストレッチの結果です。

それでは、持続的なストレッチを行うとどうなるのでしょう。

持続的なスタティックストレッチを行うとジャンプ高は増加するのです。

そのため、バレーボール等のジャンプ競技のスポーツにおいて、試合前にスタティックストレッチを行うのはあまりよくないですが、試合後や入浴後等で持続的に行うと有利になるということが言えるのではないでしょうか。

短距離・ランニング効率

即時的なスタティックストレッチは変化なしとする報告が多いです。

一方で、持続的なスタティックストレッチはダッシュ力や筋持久力を増加させることが報告されているため、短距離・ランニング効率に良い影響を与えてくれるのではないでしょうか。

ダイナミックストレッチ (動的) が与える影響

ケガの予防

筋肉を温めることでケガの予防につながります。ただし、いきなり反動を大きくストレッチしてしまうとケガにつながるため、最初は小さい反動から始めましょう。

パフォーマンスの変化

筋力

ダイナミックストレッチングにおいて、スタティックストレッチングの場合とは異なり、ストレッチングによる筋力の低下は見られず、長時間 (90秒以上) のストレッチングでは筋力が向上するとされています。

ジャンプ力

ダイナミックストレッチング実施によるジャンプ高の低下はみられないとする報告がみられおり、ジャンプ高を低下させるとの報告のあるスタティックストレッチとは異なります。

強度において比較すると、 100 回 / 分の速さでダイナミックストレッチングを実施することで、50 回 / 分よりもジャンプ高が向上したそうです。さらに、50 回 /分でも非ストレッチング群と比べると有意な向上が見られたようです。

柔軟性

柔軟性が改善するのは、スタティックストレッチだけではありません。

ダイナミックストレッチを行うことで、筋のポンプ作用や交感神経の働きによって筋肉の血液循環が高まります。そして、血流量が増加して筋温が上昇することによって、筋硬度が低下し伸張性が向上し、柔軟性が改善します。

ストレッチの実例

ストレッチの具体的なやり方を載せておきます。

下記の動画を参考にしてみてください。

スタティックストレッチ

uFit
筑波大学アスレチックデパートメント

ダイナミックストレッチ

ザ・きんにくTV
筑波大学アスレチックデパートメント

参照

市橋則明:ストレッチングのエビデンス 理学療法学 第 41 巻第 8 号 531 ~ 534 頁(2014 年)

Nakamura M, Yahata K, Sato S, Kiyono R, Yoshida R, Fukaya T, Nunes JP,Konrad A. Training and detraining effects following a static stretching program on medial gastrocnemius passive properties. Front Physiol. in press

MARIA DOI, YUKIO URABE, YUKI YAMANAKA, SHINJI NOMURA, NATSUMI KAMIYA Changes in Range of Motion and Muscle Strength of the Ankle Joint after Static and Dynamic Stretching 理学療法科学 25(5):785–789,2010

水野貴正:ストレッチング・サイエンス~ストレッチング研究の成果を現場に生かすために~ 中京大学体育研究所紀要 Vol.31 2017

月刊スポーツメディスンNo.151

タイトルとURLをコピーしました