【バレーボール】知っておきたいブロックのシステム

バレーボールについて

皆さんはブロックにもジャンプするタイミングや陣形に種類があることを知っているでしょうか。

ブロックはただボールを追って止めればいいだけではありません。

今回はそんなブロックについて深掘りしていきましょう。

ジャンプするタイミングの種類

リードブロック

簡単に言うと、ボールを追うブロックです。

リードブロックは、相手のトスを見てからそのトスが上がった場所でジャンプするブロックです。

このブロックの目的は、キルブロックではなくワンタッチを取ることによって、こちらの次の攻撃に繋げつつ、相手に対してプレッシャーをかけることです。

メリット

・1 人のスパイカーに対して、複数人ブロックにつくことができる。

・複数人ブロックにつくことによって相手スパイカーにプレッシャーをかけられる。

・攻撃の変化に対して広い範囲で対応することができる。

デメリット

・素早い攻撃だとブロックにつけないことがある。

・ブロックの高さが出にくい。

コミットブロック

簡潔に言うと、人をマークするブロックです。

コミットブロックは特定の相手スパイカーに対して飛ぶブロックのことです。

このブロックの目的は、基本的にキルブロックです。

メリット

・素早い攻撃でもブロックの形が完成できる

・高さは出やすい

デメリット

・4 枚以上の攻撃に対応できない

・時間差攻撃に弱い

・回り込む攻撃に弱い

・ブロックが基本的に1枚のためスパイクが後ろに抜けやすい

ゲスブロック

今までのリードブロックやコミットブロックはチームとしての戦術です。

このゲスブロックは、その名の通り、個人が相手のトスを推測 (guess) して動くブロックです。

メリット

予測不能な動きで相手を翻弄できる

デメリット

ブロックとレシーブの関係が構築しづらい

「ハイキュー!!」の白鳥沢高校の天童でこのブロックを知っている方も多いかと思いますが、ゲスブロックを主体として動くことはあまりオススメしません。

ゲスブロックはハマればいいですが、ハマらない時は、相手スパイカーに対してのブロックは少なくなる・自チームのディフェンスのポジショニングが取りづらくなるなど、チームにとってデメリットが大きすぎます。

バレーボールはチームスポーツです。戦術を考える上で、ゲスブロックを行う選手は要りません。

どのジャンプタイミングがいいのか?

先程紹介したリードブロックとコミットブロックは状況に応じて使い分けますが、リードブロックが現在は主流となっています。

攻撃の枚数は常に 4 枚いると想定すると、コミットブロックでは、どうしても 1 人対応できません。

全ての攻撃をカバーするにはリードブロックしかないのです。

リードブロックは、最初は慣れないかもしれません。しかし、リードブロックをマスターすれば確実にチーム力が上がります。

リードブロックを採用したチームで、「1 セット目全然取れないんですけど・・・」という声が上がるかもしれません。

しかしながら、リードブロックとはそういうものなのです。最初のセットは相手のセッターのトス回しに慣れる必要がありますし、相手スパイカーはブロックが完成されない状態でスパイクを打てるので気持ちよく打ってくるでしょう。

リードブロックは 2 セット目以降本領を発揮し始めるのです。相手スパイカーは常に複数人ブロッカーを相手にするわけです。徐々にプレッシャーを感じ始めるでしょう。

キルブロックをされないまでも、ワンタッチを取られ続けたら、相手としては相当嫌なはずです。自分がワンタッチを取られ続けて、スパイクが決まらない状況は相当参りますよね。

それがリードブロックの狙いです。

基本はリードブロックを主体として、コミットブロックをするのであれば要所要所で仕掛けていきましょう

ブロックシフトの種類

ここからは、ブロックを飛ぶ前の陣形の話をします。

バンチシフト

その名の通り、ネットの中央に束 (バンチ) になってトスが上がるのを待ち構えるブロックシフトです。

コミットブロックはバンチシフトでは対応しずらいため、基本的にはリードブロックとの組み合わせが多いです。そのため、二つ合わせて「バンチ・リードブロック」と言うことが多いです。

メリット

・中央付近の攻撃にも複数人でカバーできやすい

・ブロッカー同士の間隔が狭いため、ブロックが割れることが少ない

デメリット

サイドの攻撃にブロックが遅れることがある

しかしながら、このデメリットもトータルディフェンスという考え方をすれば、メリットに近づきます。

メリットであげた「ブロックが割れづらい」。

ということは、後ろのディフェンスはしやすくなるはずです。

もちろん、リードブロックを組み合わせる前提にはなりますが。

ブロックが遅れると言うことは、クロス側は閉まりやすく、ストレートが開きやすいということです。自ずと相手スパイカーはストレートに打つ機会が多いと思います。そのストレートに人を配置すれば、ボールの上がる確率が上昇するのではないでしょうか。

そして、デメリットとも言えるこの「ストレートが開きやすい」という点は、相手のスパイクがサイドラインを割る、あるいはアンテナに当たるなどして、スパイクミスになる可能性が高いというメリットにもなるのです。

プレッシャーがかかるのはスパイカーだけではありません。トスが短くなってスロット 5 またはスロット C までボールが届かない場合には、2 枚ないしは 3 枚ブロックが揃うクロス方向にしかスパイクが打てなくなる可能性が高いため、ボールをセットする選手にもプレッシャーがかかります。

スプレッドシフト

両サイドのブロッカーがアンテナ寄りに広がったブロックシフトです。

メリット

守るべき全てのスロットを3人で分担できるため、無防備となるスロットがない

デメリット

ブロッカーの間隔が広いため、ブロックが割れやすい

このブロックが割れやすいというデメリットはチーム戦略的にはとても大きいものです。

ブロックが割れやすいということは、レシーブポジションを確立できないので、ディフェンスしづらくなります。

つまり、トータルディフェンスしにくいということです。

スパイカーは打つコースが沢山あるので、凄まじいレシーブ力があったとしても戦略的に相手を嵌めることは難しいでしょう。

デディケートシフト

レフト側もしくはライト側にブロックを偏らせるブロックシフトのことです。

これは、相手の攻撃がスロットの 1 〜 5 (もしくは A 〜 C) しかない場合に使えるシフトです。

ある程度のレベルのチームであればセッターが前衛の時に、ライトバックがないというのはあり得る話なので、このシフトはハマるでしょう。

しかしながら、強豪のチームにおいて、ライトバックがないなんてことはまずあり得ないため、このシフトは採用されないでしょう。

リリースシフト

レフト側もしくはライト側に 1 人だけ偏らせるブロックシフトです。

例えば、レフトの攻撃が速くてバンチシフトでは間に合わない時などにライトの選手が一歩外に移動し対応します。

基本的には、一歩外に出た選手はコミットブロックで対応し、他の 2 人はリードブロックで対応することが多いです。

ただし、相手選手が切り込んで間の空いているところから攻撃される可能性があるため、注意が必要です。

結論:バンチ・リードブロックが最強!!

試合に勝つためには、戦略がとても大切です。

その戦略を立てていく上で、ブロックとレシーブをうまく噛み合わせるトータルディフェンスという考え方がとても重要となります。

先程記載した通り、トータルディフェンスの本領を発揮するためには、バンチブロックとリードブロックの組み合わせしかありません。

バンチブロックとリードブロックを極めれば、絶対チームは強くなります。

みなさん、今すぐバンチ・リードブロックをマスターしましょう!

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